精密機器製造を生業とする佃製作所。
主にエンジン機器を扱う佃製作所は、社長の佃航平が宇宙開発機構の職員出身であったこともあり、佃製作所は研究開発型企業形態となった。
しかし、佃が父親の家業を継いだ理由は積極的なものではなく、宇宙開発機構でのロケット打ち上げの失敗が契機となり、渋々受け継いだのである。ロケット打ち上げの失敗の原因は、搭載されたロケットエンジンの不具合であった。そのため、佃が社員と共に研究者の威信をかけて製造した新型水素エンジンはロケットの打ち上げにかかわるキーデバイスとなりうる製品であった。
そんな佃製作所は、佃航平が社長に就任して以来の重大な事件と対面していた。それは、大口取引先の京浜マシナリーから取引終了の一方的な連絡と、競合他社のナカシマ工業からの特許侵害訴訟であった。
それが切っ掛けでメーンバンクの白水銀行にも融資を渋られる佃製作所。
しかし、佃はその危機を乗り越え、自社水素エンジン搭載のロケット開発に向けて乗り出すのである。
ぜひ、あなたもこの作品を観て、町工場のプライドと輝きに触れてほしい。