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心に残っている旅

私はそれほど旅に出る人間ではないのですが、これまで行ったいくつかの旅行の中で、一番印象に残っている“旅”について、書いてみたいと思います。

現在はコロナ禍で、海外どころか、お仕事以外で県外にすら出ることがなくなってしまいました。

もう20年以上も前のことなのですが、20歳の時に10ヶ月ほどアメリカ・シアトルに留学する機会を頂いたときのお話しになります。

シアトルは特に秋以降雨が多く、「アウトドアの遊びは夏までに済ませておいた方が良いですよ。」、と現地の先生から聞いていました。

向こうで車の免許を取り、車を購入した友人がいたのですが、その友達と話し合わせてクラスメート5人で、ワンボックスカーを使って14日間のキャンプの旅に出ました。

“いつどこに向かうかは、予め決めない旅”です。あした自分がどこに居るのか、全くわかりません。そんな旅行の仕方はしたことがなかったので、とても楽しかったです。これは今の所、人生で一番の長旅になっています。

まずシアトルが出発地点になります。「サンフランシスコ、ロサンゼルス、グランドキャニオンだけは行きたいね。」だけで、「とりあえず下に行ってみよう。」となりました。キャンプということで、一つだけテーマを決めていて、『国立公園(National Park)巡り』をしようということになっていました。アメリカには、たくさんの国立公園があります。

まずはオレゴン州のクレーターレイクから始まり、レッドウッド国立公園、大都市を回りながら、モニュメントバレー・グランドキャニオン・アンテロップキャニオン。この後者3つは壮大で、日本の景色しか知らない私には新鮮でした。テントを川っぺりに張って寝たり、モーテルに泊まってみたり。グランドキャニオンからは、ソルトレイクシティの大聖堂を回って、シアトルに帰ってきました。

その旅の中で1回だけ、奇妙な事件が起きました。夜中に車でスーパーに行って戻ったら、勝手に友人の車の外装を掃除する黒人の方がいたことです。仲間の誰も、その方にお掃除を頼んでなんかいません。その方は、チップが欲しかったわけですね!この光景も、日本では見たことがありません。銃社会のアメリカ、ほんの数ドルのチップを渡して、危険を回避しました。

私は中学生くらいの頃から、アメリカが1番、日本は2番と言われながら育ってきた世代です。ずっと世界で一番と言われる国はどんなところなんだろう?、と不思議でした。アメリカは貧富の差が激しすぎる、といった問題点の指摘もあります。しかし、この時日本にはないようなアメリカならではの“ダイナミックさ”に触れられたことは、人生の中で良い経験となっております。

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